サッカー選手として現役復帰するにあたり、不安な点があった。
それはパニック障害により、乗り物に乗るのが怖いということ。
試合をするために移動は不可欠であり、何かしらの乗り物に乗らなくてはならない。
サッカーが再びできるということに対してワクワクしている気持ちが大きいが、ふと飛行機に乗っている場面が頭をよぎり急に不安になる。
それの繰り返しだった。
そして不安によるストレスで体調不良や気持ちが憂鬱になったりすることがあった。
だが、憂鬱な人生を送るためにサッカーをするのではない。サッカーが楽しくてもう一度プレイしたいと思いするのである。
ワクワクすることにチャレンジできる機会を手にできたはずなのに、不安になる必要があるのか。
じっくり考えてみた。
まず、なぜ乗り物が怖いのか掘り下げてみた。
パニック発作が初めて起きたのが遠征バスの中だった。急に震えと吐き気に襲われて意識が飛んでしまいそうだった。
そして後に気づいたのだが、嘔吐恐怖症でもあった。そのため吐くのが怖い。人前で吐いて迷惑かけたらどうしよう。吐くのは悪いこと。という恐怖がよりパニック発作を強めた。実際に吐いたことは一度もない。ただなぜかどんどん気持ち悪くなるのでトイレに逃げ込みたくなる。
それからトイレのないバスや電車には乗りたくないし、考えただけでもドキドキしてしまう。美容院や飛行機の離着陸時などすぐにトイレに行けない状況も怖かった。
心理学について勉強している友人に相談すると、私の場合は、過去のトラウマが影響しているのではないかとのこと。
『失敗してはダメ』
『怒られる』
『人目が怖い』
など。幼少期の時に体験したことと、大人になりその環境で受けたストレスとが合わさってパニック障害が発症したのではないかと。
そこで恐怖や不安、ストレスの元となったであろう出来事と向き合うために、実際に体験した場面を思い出してみた。
そしてそれに対して、
『失敗してもいい』
『怒られてもいい』
『人目は気にしなくていい』
『そのままの自分でいい』
と全部受け止めて肯定してあげる。
さらにそこから今不安になっている、今後移動のために乗る飛行機の場面を想像し『人前で発作が起きてもいい』から『発作はもう起きないから私は飛行機に乗れる』など具体的にポジティブな言葉にしていった。
簡単には変わらないので何度も繰り返し、思考を変えていく。頭の中をコントロールするイメージ。
そうすることで、不安が少し消えワクワクが増えた。不安が消えると体調不良も減った。
マイナスな思考がいかに身体に悪い影響を与えているかに気づいた。
そもそも、起きてもいない未来のことに対して不安になる必要もない。その時考えようくらいの気持ちで。それよりこれからの楽しみなことで頭の中を埋めるように心がけている。
パニック障害や体調不良と言っても人によって様々な原因や症状があるので、改善方法もまた様々で100%このやり方が正しいかはわからない。
だけど思考は変えられるということを少しずつだけど実感している。
マイナスな思考をコントロールして、好きなことを諦めない人生を送りたい。